5月のあいさつ
- qnunun
- 2023年5月8日
- 読了時間: 6分

土曜日、朝6時。少し早めにとったゴールデンウィークの5分の3日目。突然の寒気に襲われる。とにかく寒くて寒くてたまらず、それで目が覚める。朝晩と昼の寒暖差がある時期とはいえ、震えのあまり上下の歯がカチカチと鳴るほどに寒く、毛布二枚と電気毛布を押し入れから引っ張り出してきたものの、それでも寒く、布団にうずくまり手先足先を温めながら、これは一体なんなんだと思いきや、寝落ちし、
10時くらいに目覚める。すると今度は身体中が汗まみれで、下着のみならずパジャマもぐっしょりしていて、熱で考えもうまくまとまらない感じ。毛布や電気毛布してたからかな、と思いつつも、少し時間をあけて体温を測ると39.8℃。げ、なんじゃこりゃ、
昔、オセロの松嶋尚美さんが『きらきらアフロ』で「身体にウイルスが入ってきた時って、わからへん?『あ、今入った』って。明らかに今から病気になるってわかる感じの」という話をしていて、それ以来、私は「あ、今身体に何か入った」みたいな瞬間を自覚するたび、「何か起こるかも」と思うようになり、そして実際100%の確率で、何かしら病気になってきており、朝方の悪寒もまさにそれで、
明らかに「何かしらのウイルスが入ってきました!」という感じがした。そして案の定39.8℃なんていう高熱にもうなされ、すぐに下がりそうな気配はない。病院は週明けに行くとして、それまでゆっくり療養するか、と思ったのだが、
『邪眼霊』観れへんやん。『邪眼霊』とは’88年の映画で、いわゆるJホラーの嚆矢となった作品。アイドルのデビューをドキュメンタリーで追っていたら次々と怪奇現象が起こるという『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』より10年以上も早く“モキュメンタリー”を取り入れたホラー映画で、この『邪眼霊』が同日、池袋の新文芸坐で放映されることとなっており、
マジで、ふざけんなよ。この1ヶ月、どんだけ『邪眼霊』を楽しみにしていたか、お前は知っているのか。告知があってからすぐにスケジュールを確保し、チケットの販売が始まると同時にチケットを購入。さらについ先日、『邪眼霊』について記載されたムック本『新映画宝庫vol.3 スプラッターカーニバル~悪夢映画流血編~』(大洋図書)をたまたま古本屋で発見し、運命を感じ、予習も兼ねてその本を読み耽っていたのだ、

でも、そんな40℃近い体温で『邪眼霊』なんて観に行けるわけないやんか。全身風呂みたいな状態で行けるかいや。お前、マジふざけんな。宛てのない怒りを覚えては愕然とし、壁に頭をぶつけそうになる。おもむろに血を口から漏らすシーンとか、怪奇現象に絶叫する人たちとか、そんなん映画館のスクリーンで観たいやんか。
しかし「文芸坐にギリギリ行ける時間」であるタイムリミットの16時30分になっても熱は一向に下がらず、結局『邪眼霊』を諦めることに。ゴールデンウィークのど真ん中に、なんでこんな目に遭わなあかんねん。そう思うと、ますます腹がたってくる。
ゴールデンウィークの前半は1人で過ごすことにして、後半は友人と会う約束を立て続けに入れていた。なのに、こんな風呂みたいな体温にうなされて、ほんまなんなん。風呂にしてはそこそこぬるま湯やしな。黄金もクソもないがな。次第に「死ねや高熱」と実体を伴わないものへの誹謗中傷を行なうようになって、
しかし、どんどん『邪眼霊』やゴールデンウィークのことを考えている場合ではなくなってくる。とにかく喉が痛い。唾を飲み込むことも困難なほどで、鼻も痛い。鼻と繋がっている目も鋭く痛い。あと頭痛もひどい。それに疲れやすいので、一挙手一投足に一苦労。
幸い、災害用非常食としてカップ麺などを常備し、SOYJOYや1本満足バーといった登山用の行動食もあったので、食べ物には困らなかった。スポーツドリンクはなかったので、家のそばにある自販機で確保し、後は寝るだけの謎の高熱一日目。
二日目の早朝も40℃近い高熱は収まらなかったのだが、次第に37℃前後を行ったり来たりすることに。少し体が楽になったので、朝イチのドラッグストアで熱さまシートを買い、そしてスーパーでスポーツドリンクをゲットし、結局この日も寝るだけの日に。とにかく汗が出るのでシャツを1日で10枚変える。テレビでは「早めのゴールデンウィークがどないのこないの」というのだが、ムカつくしイラつくので高橋由美子のブルーレイを観たりしていました。
そして三日目が月曜。病院に行ったところ、コロナだと診断される。なんとなしにわかってはいたけれど、実際診断が下されると「あのコロナが?今、私の身体の中に!」みたいな気持ちになって、ちょっとドキドキしたが、一瞬で我に帰る。たかだかコロナに感染して、芸能人に会ったような気分になるなんて!こいつのせいで、『邪眼霊』観に行けんかってんぞ。
で、不思議なもので病名がわかると熱や喉の痛み、頭痛は和らぎ、かと思えば味覚と嗅覚がよくわからないという事態に。でも風邪ひいた時って、味覚と嗅覚がよくわからない状況になるよな、とも思う。
コロナと風邪では諸々状況がかわる。お医者さんから「初日の土曜から数えて1週間療養するように」と言われたので、とりあえず職場に連絡し、「ゴールデンウィークの最中、コロナにかかったので追加で1週間休みます」と伝える。それと近々会う予定だった人たちにもLINEをし、謝りを入れる。っていうか、りょーたん(坂口諒之介さん)のワンマンがあったのよ。それも3年ぶりの。LINEで謝罪とキャンセルを伝え、後は眠り続ける。
4日目以降はそれほどひどくなくて、リハビリの方向に持っていく。とりあえず食べる量を増やしたり、夜中にウォーキングをしたり。頭が落ち着いて働くようになるにつれ、「なんでゴールデンウィークに、わざわざコロナになるかね?」という怒りの気持ちがまたもや収まらなくなる。まぁ多分、どのタイミングでなっても、腹立つのは腹立つのだが、それにしてもゴールデンウィークが丸潰れってどういうこと。
思えば思うほど、「しゃーないやんか」と自分で納得させようとすればするほど、捨て鉢な気持ちになる。もうふて寝をこくしかなく、研ナオコ聴きながらつげ忠男の漫画めっちゃ読んだよ!
というわけで写真は、コロナ発症1週間目で作った豚汁。やっぱり安心するものが食べたくなるのね。コチュジャンと醤油を入れると、コクが出てさらに美味しい。あとは市販のポテサラを中華風にアレンジしたものとほうれん草のおひたし。病み上がりにできるだけのことはやった。いつにも増して写真の撮り方が下手すぎて、ちょっと笑った。#写真撮るのドチャグソ下手糞マンのお料理日記
先月に引き続き、UKロックをいまだ聴き続けている。というか、まだブームは治まりそうになくって、だってBloc Partyの新曲がかっこよかったから。コロナにうなされながらも、感動しちゃったよ!たぶん、俺がkoki, なら英語で感謝の気持ちをこれみよがしに書き連ねちゃうね。
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